A地点から丸く見えていた物は、B地点からみたら実は四角だったなんて脳トレの様に、人はそれぞれの立場で考え方、行動が当然の様に異なります。
東日本大震災からもうじき9ヶ月
なんだか最近それぞれの立場での考え方の開きが気になり始めています
これはいつもの悪い癖でちょこちょこと色んな所に首を突っ込んでいるから
気になっているだけなのかもしれませんが・・・
それぞれの立場で行動のズレを修正しないと、しわ寄せが東北沿岸部に向かう事に
なってしまうのではないか?と思ってます。
私は宮城県牡鹿郡女川町と神奈川を毎週の様に行ったり来たりしています。
女川町の現状とそれに対する他県の行動等はそれなりに
見る事は出来ているのではないかなと思っています。
もちろん女川町の現実のすべてを知っている訳ではないですが
支援団体だけをとっても、現地に滞在している方と後方支援団体と様々です。
今それぞれの立場の適切な活動はなんでしょうか?
「関心を無くさない事」
これは本当に大事な事だと思います。では
「寒いから暖房器具を送ろう」
これはどうでしょうか?
何か協力したいという気持ちはすばらしいと思います。
でも地元で暖房器具を売り始める事で
立ち上がった業者がいたらどうでしょうか?
近場で0円で配られたら価格破壊どこの騒ぎじゃないですよね。
私は幸い国際援助に係ったときにこの事実に気がつく事が出来ました。
今、女川町で「女川支援物資 地買地消運動」と唱えた方がいらっしゃいます。
仕事が大変忙しいなか、声を上げられました。
私はこの言葉を聞いたときに恥ずかしくなりました
なぜ声をあげなかったのだろう。
被災した地域の人達にこの言葉を言わせるのか?
これこそ我々係っている団体が声を上げるべき事じゃないのか?
東北沿岸部の立場でこの声を上げる事は批判覚悟で言っています。
ですから、今何かを送ろうと思っている方は、まず地元の業者を調べましょう。
地元業者で注文して配送すれば、地元経済が動きます。
地元業者で取り扱っていなければ、団体を介して地元業者で卸せる様に
取りはからうとかやれる事はあるはず。
私も以前ニーズのない物資の連絡が来て、必要ないと断ったのに知らない所で
大量に配布されていた事がありました。
では他の地域の人間が得意とする事って何でしょう。
個人的な意見ですが、俯瞰的な目線を持っている事だと思います。
以前にも書きましたが、ある程度広い視野で震災そのものを
見る事が可能だと思っています。
もちろん被災地域の人達の視野が狭いと言っているのではありません。
目の前の問題が多く、地元の人にしか気がつけない事も多いですから
だから私たち遠方の人間は考えるべきなんです。
産業で言うと
「一次産業の応援は色んな団体が行っている、じゃあその分の受け皿を
二次産業が担える状況なのか?」
「二次産業が停止している状態で町の産業はどう展開して行くのか」
「じゃあそれに則したサポートをしよう」とか
また産業の復興を語るうえで放射能の問題も避けて通れません。
だからといって外側から見て、「こうした方が良い」とか簡単に言えません。
当然そこには地元の想いがあります。
隣に並ぶようなサポートっていうのも以外と難しいもので
信頼関係がないと成り得ないものです。
このままだと、「ボランティアは必要ない」と言うような話も出てくるでしょう。
いずれ震災当初全国で蔓延した「迷惑ボランティア」という言葉につながって
いってしまうのでは?・・・と危惧してしまいます。
ここら辺でもう一度情報をシェアし、何が適切かを考える時だと思います。
以前は支援団体で情報をシェアする為の会議が定期的に行われていたのですが
現在、私の活動地域では行われていません。
自分達も以前より情報をつかみにくくなっています。
せっかく集まったマンパワー、いい方向に向けたいのは全員同じはず。
いまいちど、自分達の活動を振り返りませんか?
また東北に入らなくても、東北に貢献している方はたくさんいます。
福祉施設の商品から有名商品まで東北の物を自ら仕入れ、ボランティアで
販売している方もいらっしゃいます。
物資を大量に送って地元の経済活動のチャンスを奪うより
よっぽど貢献しているのではないでしょうか?
自分の立場が何なのか見つめ直し、いい意味で「よそ者はよそ者らしく」
<蓮見 洋平>
下の写真が自分で仕入れてイベント販売しているshare heart kamakuraの梅津さん
のブースです。
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